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収益還元法
収益還元法(しゅうえきかんげんほう)とは、
「その不動産が将来生み出すであろう収益(家賃や賃料など)をもとに価値を算出する方法」です。
主に収益物件(賃貸マンション、オフィスビル、商業施設など)の評価に用いられます。
考え方としては、
その不動産が将来生み出す純収益を現在価値に換算して評価額を求める
というものです。
収益還元法の基本式
収益還元法には2つのアプローチがあります。
(1)直接還元法
コピーする編集する不動産価格 = 1年間の純収益 ÷ 還元利回り
- 純収益(NOI:Net Operating Income)
家賃収入などの総収入から、運営費(管理費・修繕費・固定資産税など)を差し引いた額 - 還元利回り(Cap Rate)
市場取引や過去事例から求める期待利回り
例)
年間純収益:600万円
還元利回り:6%
→ 不動産価格 = 600万円 ÷ 0.06 = 1億円
(2)DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)
コピーする編集する不動産価格 = 将来数年間の予想純収益の現在価値合計 + 売却予想価格の現在価値
- 将来の収益や売却価格を年ごとに予測し、割引率で現在価値に換算
- 将来の収支予測を細かく反映でき、投資判断の精度が高い
収益還元法が使われるケース
- 収益物件の売買価格査定
- 不動産投資家の購入判断
- 金融機関の担保評価(賃貸用不動産)
- REITや不動産ファンドの資産評価
メリット
- 収益性を直接反映できるため、投資家目線での評価が可能
- 立地や規模だけでなく、運営効率の違いも反映できる
- 海外含め、不動産投資の国際的な評価基準と整合性がある
デメリット・注意点
- 収益予測の精度が重要
空室率や賃料変動を楽観的に見積もると評価額が不正確になる - 還元利回りの設定が難しい
市場データや取引事例の分析が必要 - 市況変動の影響を受けやすい
実務上のポイント(投資家視点)
- 直接還元法は現状の収益力評価に向く
- DCF法は中長期の収益変動を反映したいときに有効
- 還元利回りは周辺の取引事例や金融環境(金利水準)を考慮して設定
- 賃料アップや稼働率改善などの施策でNOIを増やすことで、物件価値も向上
まとめ
収益還元法は、不動産の「収益を生む力」に着目して価値を算定する方法です。
特に賃貸用不動産の評価では、利回りと純収益の見極めが最重要ポイントです。
正確な収益予測と適切な還元利回り設定ができれば、投資判断の精度を高め、物件取得や売却のタイミングを見極める強力なツールとなります。