ネット利回り

ネット利回り(実質利回り)とは、不動産投資で実際に手元に残る収益力を示す指標で、
年間総収入から運営経費を差し引き、さらに購入諸費用も含めた総投資額で割って計算します。

表面利回りは経費を考慮しませんが、ネット利回り(実質利回り)は経費や購入諸費用を反映するため、より現実的な投資利回りを把握できます。


計算式

ネット利回り(実質利回り)
=(年間総収入 − 年間運営経費)÷(物件価格 + 購入諸費用)× 100

計算例

  • 年間総収入(家賃・共益費など):300万円
  • 年間運営経費(管理費・修繕費・固定資産税・保険など):60万円
  • 物件価格:3,000万円
  • 購入諸費用(仲介手数料・登記費用・火災保険料など):150万円
ネット利回り =(300万 − 60万)÷(3,000万 + 150万)× 100
      = 240万 ÷ 3,150万 × 100
      = **7.62%**

特徴

  • 経費と購入時の初期費用を反映するため、投資の実態に近い
  • 表面利回りより低く出るが、信頼性が高い
  • ローン返済額は含めない(融資条件による収支は別途キャッシュフロー分析で評価)

表面利回りとの違い

指標計算式特徴
表面利回り年間総収入 ÷ 物件価格経費・諸費用を考慮せず、見かけ上高く出る
ネット利回り(実質利回り)(年間総収入 − 年間経費)÷(物件価格+諸費用)実際の投資効率を反映

投資判断での活用

  • 物件比較:複数物件の本当の収益力を比較できる
  • 購入前シミュレーション:表面利回り→ネット利回りの順で精査
  • 運営改善:稼働率向上や経費削減で利回りアップ