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インスペクション(建物状況調査)
不動産におけるインスペクション(建物状況調査)とは、住宅や建物の劣化状況や欠陥の有無などを、建築士などの専門家が目視や計測によって調査することを指します。
特に中古住宅の売買時に行われることが多く、購入前に建物の状態を把握することで、安心して取引ができるようになります。
インスペクションの目的
- 建物の安全性確認
構造部分や劣化の有無を事前に把握し、倒壊や事故のリスクを減らす。 - 修繕計画の立案
必要な補修箇所や修繕時期を明確にし、将来的なコストを予測。 - トラブル回避
引き渡し後の瑕疵(かし)を巡る売主・買主間の紛争を防止。
調査対象の例
- 構造部分(基礎、柱、梁など)
- 外装(屋根、外壁、雨どいなど)
- 内装(床、壁、天井の状態)
- 設備(給排水、電気、ガス設備の作動確認)
- 雨漏り・腐朽・シロアリ被害の有無
メリット
- 買主:購入判断の材料になり、安心感が高まる
- 売主:物件の状態を開示することで信頼性が向上
- 双方:契約後のトラブル防止につながる
インスペクションと不動産投資の関係
不動産投資家にとってインスペクションは、
- 購入判断の精度を高める
- 想定外の修繕費発生リスクを軽減
- テナントや入居者への安全性アピールが可能
という点で有効です。
特に長期保有を前提とする賃貸経営では、初期段階で建物状況を把握することが利回りの安定につながります。
インスペクション制度の背景と概要
1. なぜインスペクション(建物状況調査)が重要なのか?
中古住宅は、新築時の品質やその後の維持・管理状況により、物件ごとに状態が大きく異なるため、購入者には品質面で不安が生じやすいです。そのため、売買時点での物件の状態を客観的に把握できる**建物状況調査(インスペクション)**に対する需要が高まっています。
2. 制度化の取り組み
国土交通省は、「既存住宅の流通市場を活性化する新たな住宅循環システム」を整備するべく、インスペクションの品質や信頼を高める取り組みを進めています。その一環として、2017年(平成29年)2月に「既存住宅状況調査技術者講習制度」を創設しました。これにより、インスペクションを担う専門技術者の育成を強化し、宅地建物取引業法の改正に伴う活用促進や、既存住宅売買瑕疵保険との連携を図ることにより、安心して取引できる環境づくりが進められています。
インスペクションの制度的な位置づけとメリット
制度・制度化内容 | 内容 |
---|---|
既存住宅状況調査技術者講習制度 | 2017年創設。インスペクション実施者の育成を目的とする講習制度。 |
宅地建物取引業法との連携 | インスペクションの利用促進が法律改正により進められている。 |
既存住宅売買瑕疵保険との関係 | インスペクションは保険活用の前提となりうるため、安心取引につながる。 |
目的 | 売り手・買い手双方が安心して取引できる市場環境を整備すること。 |