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定期借家契約
定期借家契約(ていきしゃくやけいやく)とは、契約期間満了と同時に必ず契約が終了する賃貸借契約です。
借地借家法の改正(2000年施行)によって導入された制度で、契約更新のない賃貸契約として運用されています。
契約期間が満了すると、原則として借主は建物を明け渡し、再契約を行わない限り賃貸借関係は終了します。
2. 普通借家契約との違い
項目 | 普通借家契約 | 定期借家契約 |
---|---|---|
契約更新 | 自動更新または合意更新あり | 更新なし |
契約終了 | 正当事由が必要 | 期間満了で終了 |
契約期間 | 最低2年(短縮不可) | 期間の制限なし(1年未満でも可) |
契約形式 | 書面不要(口頭も可) | 必ず書面契約+事前説明必須 |
3. 定期借家契約の成立条件
定期借家契約は、普通借家契約と異なり、以下の条件を満たさないと無効になります。
- 必ず書面契約(公正証書または書面)で締結
- 契約締結前に、期間満了で終了する旨を書面で説明
- 宅地建物取引士が説明することが望ましい(賃貸住宅の場合)
- 期間満了時に終了することを明確に記載
4. メリット
貸主側
- 確実に契約終了できる
正当事由が不要で期間満了時に終了 - 再開発・建替え計画が立てやすい
将来的な用途変更に柔軟対応 - 短期賃貸にも対応可能
1年未満などの契約期間設定も可能
借主側
- 短期間だけ住みたいニーズに対応
単身赴任・留学・期間限定プロジェクトなど - 家賃が相場より安い場合がある
定期契約ゆえに賃料を低めに設定する物件もある
5. デメリット
貸主側
- 契約期間中は基本的に途中解約できない(特約ややむを得ない事由を除く)
- 再契約希望があっても借主が応じない可能性
借主側
- 契約満了で必ず退去が必要
- 長期居住を希望する場合には不向き
6. 再契約について
定期借家契約では更新はありませんが、双方合意のうえで再契約は可能です。
ただし、新たに契約書を作成し、再び契約手続きを行う必要があります。
7. 不動産投資・運用での活用ポイント
- 再開発予定地や将来の売却予定物件に有効
- 家具付き・短期賃貸(マンスリー、シェアハウス)に適している
- 長期的な安定収入より柔軟な運用を重視する投資戦略に向く
まとめ
定期借家契約は、「契約期間満了で必ず終了」という明確なルールがあり、貸主にとって運用の自由度が高い契約形態です。
一方、借主にとっては長期居住の安定性がないため、契約時点で条件をしっかり確認する必要があります。
不動産投資家にとっては、出口戦略や短期運用計画と組み合わせることで高い柔軟性を発揮する契約形態です。